障がいのある兄弟姉妹がいる小中高校生の4人が、たくさんの時間を過ごす学校生活の中で、モヤモヤしていることを伝えてくれたよ。先輩きょうだいが、自分たちの経験も話しているよ。
※実際には、別の学年でも同じような気持ちを持つこともあるよ
小学生、らんくん・りんちゃんのモヤモヤ
お兄ちゃんのマネをして笑ってくる友だちがいて、イヤな気持ちになるんだ。
うん、それはすごいイヤだよね。ぼくは学校でお兄ちゃんのことを笑われたとき、家に帰ってくやし泣きをした時もあったな。
お母さんにも言えないんだよね…
お母さんが悲しむかな?とか思っちゃうよね。ぼくは迷ったんだけど、すっごくイヤだったから先生に「こんなことがあってイヤだった」と正直に伝えたよ。
お兄ちゃんをバカにされたみたいで頭くるよね。ぼくの場合は、「そんなことをされるのは、ぼくはイヤだ」と相手に伝えたな。
わたしも、学校のイベントで体育館に集まる時とか、いろんな人が弟のことをジロジロ見ていて、こそこそ話す人もいて、イヤな気持ちになるときがあるよ。
イベントって楽しみなのに、心配ごとがくっついてくるんだよね。ぼくも、悲しかったり、くやしかったことあった!
そういう時、弟が落ちついてイベントを乗り越えられるのかな?って心配にもなったり、気持ちもザワザワしていたな。
そうなんだよね。そんな時はどうしていた?
ぼくは、友だちにお兄ちゃんの障がいのことを話して、友だちがわかってくれていたから、一人じゃないと思えたよ。わかってくれる人が近くにいると思うと心強かったな。
本当はその場をはなれたかったんだけど、できない時は、自分に「大丈夫だよ」と声をかけながら、ゆっくり息をすったりはいたりしていたよ。自分が守られているようなイメージを持ちながら。
友だちに「らんくんのお兄ちゃん、なんで変な動きをするの?」「どんな障がいがあるの?」と、聞かれる時もあるんだけど、ぼくもよくわからないんだよね…
そんなこと言われても…ってことあるよね。変とか言われるのもイヤだし。
ぼくは、お母さんに聞いてみたんだ。「お兄ちゃんのことで友だちに聞かれて、こんな風にこまったよ、だから教えてほしい」って。そうしたら、わかりやすく教えてもらえたよ。
らんくんもりんちゃんも、「こんな風にこまっているよ。どうしたらいい?」ってまわりの大人の人に聞いてみるのもいいかもしれないね。
あと「◯◯(弟の名前)のお姉ちゃん」と言われるのはイヤだな。私は私なのに!
自分の名前を呼んでほしいよね!
ぼくは、「◯◯(兄の名前)の弟くん」と言われたときは、「弟くんじゃないよ、にゃん太だよ!」と、言葉に出していたよ(笑)。
モヤモヤがつづくとつかれちゃうよね。一人でなやまず、こんな風に話してくれるといいな。
中学生・るんちゃん、高校生・れんくんのモヤモヤ
友だちとしゃべっている時、家族の話になることがあるんだけど、今はあんまり話したくないというか、話題に出されると、ちょっと気まずいんだよね。
私も友だちとの会話で悩んだことあるよ。そういう時、笑顔でいながら内心ドキドキしてるよね。るんちゃんは、なんで話したくないなあって思うの?
友だちがどんな顔するんだろうとか、いろいろ思っちゃう。「かわいそう」とか思われたらいやだなあとかも思うし。
でも、隠しているのもいけない気がしちゃったり。
うんうん、頭の中でぐるぐる考えちゃったりするよね。
きょうだいによってどうしているのか違うけれど、私の場合はみんなの前ではあまり話さなかったよ。
仲のよい友だちには話したこともあったよ。
隠しているのではなく、相手や場面によって話すことを選んでいるって考えるのもありじゃないかな。
ぼくは、学校の友だちが障がい者に対してバカにする言葉を使っていたりすると、兄のことを言われているような気がしてモヤモヤするな…
ああ、それキツいよね・・・。ぼくも、そういうのが耳に入ったとき、しばらくイヤな気持ちだったな。
ぽち太くんもそういうことあったんだね!
言っている人は軽い気持ちで言っているのかもしれないけれど、けっこう傷つくんだよね。
言っている人は軽い気持ちで言っているのかもしれないけれど、けっこう傷つくんだよね。
私が学校でもうひとつキツいなって思うのは、授業で家族や障がいがテーマになった時。発表があったりすると特に…
そういう授業だと、家族のこと、特に妹のことをどこまで話したらいいのかなって、ドキドキしちゃうよね。
さっきの友だちとの会話での悩みのところにもつながるけれど、自分が言える範囲はどれくらいかな、って考えてみると、少し落ち着くかも。
おうちの人や先生に言えそうなら、家族や障がいのことがテーマになると戸惑ったり困ったりする時もあることを話してみてもいいかもしれないよ。
ぼくは、学校で進路の話題になると、家から近い学校の方がいいのかなとか、福祉系の学校に進んだ方がいいのかなとか、兄のことがやっぱり気になる。みんなは将来のことどう考えたの?
迷うところだよね。
進路については、ぼくは自分の目標を大事にしたよ。
家族の生活が心配だったから、それは親に話してみた。お兄ちゃんの生活を支えてくれる、行政のいろんな制度があるとわかったし、自分の行きたい道に進んだよ。
わたしは、障がいのある妹の存在が大きなきっかけだったんだけど、困っている人の役に立ちたいな、と思って福祉の道に進んだよ。でも、きょうだいだから福祉の道に行かないといけないわけじゃないと思うな。
当時は、なかなかまわりに相談できる人がいなかったから、「きょうだい会」に行って、大人のきょうだいに話を聞いてもらったな。
そこでは自分の道を選んでいる人の話を聞いて安心したな〜。ぼくも留学や部活に全力で取り組んだよ。れんくんも、今自分がやってみたいことを大切にしてほしいな。
しぶりんより
きょうだいさんへ
きょうだいの悩みは、社会の姿と関連しているんだよね。いろいろな人がこの社会にいるってことが自然になってほしいとしぶりんは心から願っています。きょうだいを応援している大人の人たちも、社会をより良くしようとしているいる大人も、たくさんいるよ。しぶりんも、しぶりんができることを見つけてやっていくよ!
本の部屋には、きょうだいさんの気持ちが主人公の本がいろいろあるよ。読んでみてね!すこしホッとしたい時には、リラックスする方法を試してみてもいいかもね。
大人のみなさんへ
親御さんや学校の先生によく聞かれる「きょうだいの想い」や「きょうだいに寄り添うヒント」についてまとめた資料を作りました。もしよかったら、ぜひ見てみてくださいね!
資料→https://speakerdeck.com/welsib/kiyoutaifalsezhou-rifalsejie-sanhe-kiyoutaifalseqi-chi-titoji-ritian-uhintonituite
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